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アイコン2011年04月ログ

水の汚染対策(続) 浄水場担当者とのQ&Aから
■「不検出」の範囲
Q 浄水場発表の放射性物質(ヨウ素・セシウム)残留データには、殆どが「不検出」と表示されている。「不検出」の範囲は?

A
・原発事故を想定していなかったため、10ベクレル以下を正確に測る計測器がない。
・厚生省指標値は乳児100ベクレル/kgなので、その1/10(10ベクレル)以上の数値については、計測されたデータを全て公表している。
・10ベクレル以内は数値が出にくく、その場合は「不検出」と表示している。
・10ベクレル以内であっても、数値が出たものについては公表している

Q:その説明によると「不検出」とは「ゼロから微量残留」の範囲内と解釈できるが、公表データには「不検出」についての説明がないため、「不検出=ゼロ」と勘違いしやすい。
データ公表ページには「不検出」の意味を説明すべき。

A:その件に関しては抗議の電話が多いので、早急に実現するよう努めたい。

感想:疑問に思ったら声を挙げることが大切!


■活性炭・ゼオライトの効果について
Q:浄水場ホームページには「粒子状放射性物質の多くは沈殿ろ過で除去している。また粉末活性炭投入で更なる効果が見込まれる」とあるが、活性炭投入の効果をどのように検証しているか。

A:計測は浄水場に流れてきた段階で実施しているわけではなく、水道水として配水する段階でのみ実施しているため、活性炭効果を具体的に検証できているわけではない。

Q:原発事故現場付近の海では、セシウム除去対策としてゼオライトの大量投入を実施しているが、ゼオライトの投入効果は判明していると思うか?

A:ゼオライトに関しても前例ないことなので、具体的な除去データはないと思う。

感想:家庭用浄水器にも活性炭やゼオライト使用のものが多いが、浄水器メーカーにとっても水道水への放射性物質残留は想定外であることから、除去効果のデータを正式に示すものは見つけられませんでした(2011年4月20日現在)。

■まとめ
放射性物質を100%取り除いた水を使いたいと願うものの、浄水場や家庭の浄水対策だけで完璧とはいかないようです(データの蓄積を期待)。長期微量摂取による被害を減らすには、少しでも効果あるものや方法を日々の生活に取り入れることに尽きるでしょう。

食べ物では、放射性ヨウ素には海藻類、セシウムには海藻類や豆類、また、解毒効果のあるペクチン質(かんきつ類表皮裏側の白い部分・リンゴ皮の内側など)が良いと報告されています。夏みかんや甘夏を食べる時は、包丁で切れ目を入れ形よく皮を剥いて冷凍保存しておき、料理しやすい量になったら、ママレードやピールを作ってみては!

我家では毎年、無農薬夏みかんの皮でママレードを作り、ご縁あるかたがたに配っています。大量に作るときはビンの確保や殺菌・梱包作業が手間なので、近年はジッパーに小分けして冷凍保存するなど、ラクに済ませています。

また、排泄効果を促すための軽い運動が良いそうですが、楽しんですることが継続のポイントでしょうか。

※参考
浄水場データ:横浜市、横須賀市、越谷市
体内被曝を避ける方法:武田邦彦氏ブログ、枝広洵子氏ブログ
Vision21(横浜市内の市民活動団体・“いのちの講座”発行)
2011年04月22日更新
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水の汚染対策(続)
■参考データ
放射性ヨウ素の基準値と暫定基準値
国別基準値(ベクレル)
WHO{世界保健機構}1.0
ドイツ0.5
アメリカ0.111
日本 2011年3月16日以前10
日本 3月17日以降300 (乳幼児100)(暫定基準値)

3月17日以後(原発事故後)に発表された日本の「暫定基準値」は途方もなく高い値。
識者によれば「暫定基準値とは、非常事態を考慮した値」とのことです。

ところが、知人が最寄りの浄水場にヨウ素の残留値を問合わせると、担当者から「昨日は0.71ベクレルでした。基準値が300なのでまったく心配することはないですよ」と答えたとのこと。浄水場の担当者には「非常事態の暫定基準値」を「正式な基準値」と勘違いしたり、説明したりしないよう徹底していただきたいものです。

そして、生活者は、国や行政担当者の言葉を鵜呑みにするばかりでは、健康を守ることはできません。疑問を持ち、関心を持ち続けることが大切です。放射性ヨウ素やセシウムは、元来ゼロでなければならないということを、肝に銘じておきましょう。

水の汚染対策としては、従来からの有害物質対策も忘れたくありません。浄水器を使っていても、カートリッジの交換時期が遅れすぎると汚れの吸着効果は落ちます。

また農薬やトリハロメタン・塩素など、数え切れないほどの化学物質摂取を少しでも減らして全体のリスクを減らしましょう。なお塩素を測るテスターはいくつか出ています。

■我家の水の純度
以下は、我家の水を「TDSメーター(蒸留水などの純度測定器。数字が低いほど水の純度が高い。化学物質は計測不可能)」で測定した結果です。化学物質を測定できないのは残念ですが、この数字を見る限り、我家の汚染対策はそれなりの効果ありでしょうか。

10回測定平均値(ppm)
・水道水……91
・浄水器使用(カートリッジ1年使用後)……85
・浄水後ヤシガラ活性炭投入(半日経過後)……76
・同(一日経過後)……74
・浄水器使用(カートリッジ交換後)……67
2011年04月15日更新
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福島原発事故後の水汚染対策 ヨウ素131とセシウム
■ペットボトルの在庫切れ現象
浄水場に放射性ヨウ素やセシウムが混入、水道水への不安から天然水ペットボトルやRO浄水器を求める家庭が増え、在庫切れ現象が続いています。放射性物質摂取による被害は、大人より妊婦・乳幼児が10倍以上大きいことから、このような家族構成のご家庭では特に、少しでも早く安全な水を飲みたい・飲ませたいと、どれほど願っていることでしょうか。もちろん、安全な水は全ての家庭の願いでもありますけれど。

■RO浄水器も品薄状態
放射性ヨウ素もセシウムも除去するというRO浄水器(純水器)は、高額にもかかわらず、こちらも購入希望者増加で品薄状態です。RO浄水器の効果はフィルター孔の大きさにあるようです。RO浄水器フィルター孔と放射性物質の分子の大きさを比べると(単位ミクロン)
 RO浄水器フィルター孔:0.0001
 ヨウ素131:0.0002
 ストロンチウム、セシウム:0.0006
 ウラン:0.0005
つまり、ヨウ素131やセシウムなど放射性物質の分子の大きさがフィルター孔より大きいため、放射性物質は確実に取れる可能性ありと判断できるとのことです(家庭の水道に放射性物質が混入する前提がなかったため、テスト資料は不足)。

■活性炭の有効性
活性炭による放射性物質除去効果は、「51%」「何がしか有効」「一定程度有効」などの説明を見ることができました(注)。RO浄水器が、高額なことや注文殺到で在庫が品薄であることなどから、今まで多くの家庭で利用されてきた活性炭利用の浄水器や、それも高価と感じれば、安上がりな粒状活性炭を購入するなど、まずは工夫してみてください。

■それぞれの工夫
・Sさんの工夫:
活性炭を詰めた布袋を作っておき、なべやボウルなどに入れて利用。

・Yさんの工夫:
@ガラス製水槽と石油缶を購入、Sさん方式で。
A浴槽にも布袋入り活性炭を活用。

■我家の工夫
・洗面所と風呂:シャワーに“活性炭入り浄水栓”をとりつけるのは不経済と判断。
・洗面所に活性炭パックを入れた麦茶ボトル数本を置き、洗顔と歯磨きなどに使っている。
・キッチン:今までどおり活性炭浄水器を利用。そばに活性炭パックを入れた麦茶ボトルを4本(一日分)置き→浄水器を通した水を入れ→半日経過後に使っている。

■活性炭パック”の改善
前回紹介の「安上がりな活性炭利用法」では、活性炭パックの作り方に業者が提案したやりかたを参考にしたのですが、まとめ作りをラクに、利用中に炭がはみ出さないようにと、少々改善しましたので、お知らせします。

・だしパック利用の場合:パックの一部を切り取ってヒモを作るのは、時間と手間がかかるので取りやめ。調理用のたこ糸利用がラクでした。

・お茶パック利用はやめる:袋を二重にしても、数日後に炭の粉がわずかに水に混じって不快。余ったお茶パックがあるとしても、利用は×。

ヨウ素131の半減期8日、セシウムに至っては30年。“命の水”汚染のつけは、家計負担もさることながら、とてつもなく多大なものとなりそうです。

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参考
・RO浄水器:コーウェイ、スタート、SHIMADA  98700円〜
(RO;Reverse Osmosis Membrane 逆浸透膜式)
有効性について;HP「逆浸透膜の放射性物質除去について」参照
(ウラン・ラジウムの除去性能100%、活性炭は51%の記述あり)

・活性炭浄水器:ゼンケン、東レ 他:40000円〜

有効性について;
@ 厚生労働省健康局水道課長通達0319−1号(H23.3.19)
各都道府県水道行政担当部長宛
(要旨)ヨウ素131除去について知見の数は少ないものの、活性炭フィルターは一定程度有効。各自治体においては指標値以下になるよう取り組むこと。
A 小出裕章(京都大学原子炉実験所):活性炭はヨウ素除去に何がしか有効
2011年04月08日更新
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