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アイコン2004年07月ログ

考え直して欲しい 生協のエコ戦略

わが町の生協では、買い物客にレジ袋をサービスせず、欲しい人は一枚10円で購入することになっている。だから買い物する人の殆どは買い物袋を持参しているし、買い物袋を持参しない人は、店の脇に積んである空箱に商品を詰めて車などで持ち帰っている。私の知る限り、この生協はもう20年近くレジ袋有料制を採用しているが、利用者から不平を聞いたことはない。お店のエコ戦略を利用者に徹底させることは、その気になれば出来ることなのだ。

反面、生協で買い物するたびに首をかしげることも多い。今日は、レジの手前〔つまり一番目に付く場所〕に"今日のお買い得商品"として、塩素系漂白剤が600ml入り188円で陳列してあった。同じ漂白剤でも塩素系よりはるかに生態系にやさしい酸素系漂白剤が500ml入り250円前後で売られているので、「塩素系商品は塩素ガスが出て有害」であることを知らない消費者は、"生協おすすめのお買い得商品"塩素系漂白剤を購入してしまうだろう(死亡例もあったほどなのだが)。

生協というところは、有害商品から環境配慮商品まで何でもありの店である。生協役員の弁によれば「他企業商品と生協商品とを並べて販売し、選択は消費者に任せる」のだそうだ。また"生協開発商品"にも、環境ホルモン作用など有害性が指摘されている商品が少なからずあるのだが、これらについても「選択は消費者に任せる」ということなのだろうか?

全国に千万単位の会員がいる生協の開発・販売戦略は、当然ながら日本社会のエコ度に大きな影響を与える。生協はこうした社会的位置にあって、いつまでも「選択は消費者に任せる」で良いのだろうか。100歩譲って、消費者に選択を任せるとしても、そのための情報提供を生協はきちんとしていない。生協は、食材の産地表示を徹底して消費者に選択の判断材料を提供しているように、住関係商品についても、利用者が環境に配慮した商品選びができるような情報提供や配慮をすべきだろう。

また最近では、ごみになりやすいチケット類や割引レシートなど、次から次へと買い物客に配りまくっている。例を挙げればキリがないのだが、こうしたサービスは、カードの金額累計額によって割引するとか、レジ機の操作を工夫するなどで解決できることなのだ。

ごみを減らすことから始まった生協のレジ袋有料制は、やれば出来るという良い例である。生協はこの精神を発展させて、レジ袋など容器包装類だけでなく、ごみの総量や、有害商品を減らすという方向で、エコ戦略を考え直して欲しいものだ。
2004年07月23日更新
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これは「人災・政治災」だ(2004年7月20日気温 東京39.5℃ 市原市40.2℃を記録)

7月20日の今日は猛烈な暑さだった。「この暑さはいったいナニ?」と感じていたら、まだ梅雨も明けていないというのに、全国的に気象庁始まって以来の最高気温をマークしたそうな。この数十年、とどまることを知らない地球規模の異常気候……。

先日の新潟県の洪水もそうだが、ついに日本の異常気象も誰の目にも明らかになってきた。
この異常気象、こんな程度で済むわけがない。これからやってくるであろう地球規模での異常気象は以前から予測されてきたことだし、このまま行けば、もはや人類の生存さえ危ういとさえ指摘されている。

開発という「人災」、もっというならそれを許している「政治災」が招いた地球規模での異常気象や環境は、当然のことながら人知を尽くして解決する必要があり、それには政治の力が大きく影響するにもかかわらず、残念ながら、今回の参議院選挙でも「環境問題」は争点にならなかった(政権与党の「年金強行採決」や「年金の中身」が国民のせっぱ詰まった不安となり、その結果、「年金選挙」になってしまったことは理解できるとしても)。

ところが、この異常気温を受けての小泉総理の発言ときたら「景気回復に役立つから良い」。つまり、暑ければクーラーなどの季節商品が売れ、企業利益に貢献するから異常気象も良いのではないかというわけだ。電機メーカーや販売店の店主の発言ならいざ知らず、一国の総理として、なんとノー天気な発言なのだろう!気の毒なのは、熱中症で倒れ、死亡していく人たち。異常気象による洪水で家をなくした人たち。そして幼い子供や次世代の子供たち。

これから必要とされる「環境を考えた公共事業」は、隅から隅までコンクリートで覆われた道路を、透水性のある素材に代えていくべきだ。たとえ一部でも良い。こうすることで、洪水災害は減り、夏の暑さも少しは違ってくるというものだ。

しかし、どんなに環境を考えた公共事業が実現されようと、「景気回復のための開発・公共事業」が繰り返され、「景気回復のためには異常な暑さも良い」などと一国の代表が言っているようでは、人災である異常気象はますます広がっていくに違いない。異常気象の原因の多くは、「人災・政治災」なのだということを、政治家は特に肝に銘じて欲しいものだ。
2004年07月22日更新
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